06.紹介
生きていく術を見つけよう。
さぁこの手でつかめ。
生きる術を。
可愛らしい金髪の少女にまだ幼稚園に入る前くらいの少年が後ろに隠れてる。
うわ〜。人形さんのようだね。
「えっと、ヴァン何処に行くんだい?」
無言の中、森の中を歩き続けて先頭をきって歩くヴァンには尋ねた。
ヴァンが眉を寄せていることは彼女はまだ知らない。
「ガルディオス家だよ。」
ため息を吐きながら言うもんだから、ちょこっとイラっとした。
「へぇ〜。・・・むぐ」
[そこ何処]って言おうとしたのに、無理やり口をおさえられた。
『ガルディオス家は有名だから、何処なんてことは言わないほうがいい。
よっぽどの田舎から出てきたと思われるぞ。
だけど、今は記憶喪失って設定だから大丈夫だけどな。』
『へぇ。じゃ、取りあえず色々後で教えてな。」
『まぁ、仕方ないだろうな。基本的なことは知らないといけないし、
知らないと損するだけだろう。』
こっそりと、私たちは会話した可愛らしい兄弟の耳に入らないように。
「どうしたのですかヴァン。」
マリィは首をかしげて聞いてくる。う〜ん、本当フランス人形みたいだなぁ。
「いえ、なんでもないです。ところで、この人をガルディオス家で雇うことは可能ですか?」
・・・・・なっ何言ってんだよヴァン。見るからに怪しい私なんか雇ってもらえないだろう?!
それに、私働いたこと無いぞ。
「えぇ、メイドという形でしたら大丈夫だと思います。
結婚ということで辞めたメイドが一人居ますし、護身術がある程度できれば文句なしです。」
どこか、人形のような容姿を持つ少女は大人のような少年と共に話を進める。
どんどん話が進んでいき、呆然としている少女は取り残されていた。
「護身術ですか、後で教えておきます。」
ヴァン十歳くらいなのに私より大人っぽいってどういうこった。
うふふ。おねーさん涙が出ちゃうぜ。
「。とりあえず、働けるようになったぞ。よかったな!」
「・・うっ、え?有難う!」
そんな、早く決まっていいのか?
いい事が続くと、決まって悪いことが一気にくるからなぁ。
でもうれしいんだよ。会う人々が暖かい人たちで。
荒んでいないから、君たちはまだ。
・・・・そういえば。
「ところで、自己紹介まだだったな。」
そういうのは私からしたほうがいいよな。
「私はと申します。これからよろしくお願いします。」
「マリィと呼んでください。・・ほらあなたも、」
マリィの後ろから金髪の小さな少年が出てきた。
「この子はガイラルディアと申します。・・・ご挨拶しないと。」
「・・・・よろしくおねがいします。」
うふふ。・・・かわええのう、何ていうか癒し系だよな。
兄弟そろって。
「ふふふ。ガイラルディア様とマリィ様か、よろしく。」
「「よろしく」」
こんな、私でいいのなら君たちと共にいたい。
いつまでも、続く日を願う。
永遠など、有りもしないと知っていたけれど。
これは私と君たちのハジマリ。
そして、もうすぐ始まるという合図。
(061104)
マリィで果たして本当に合っているのだろうか?!
そして、短いー!!
ふふふ。感想求むー!!
アビス明日もアップ予定さー★
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