04.実践




試さなければ、分らないこと




それは、RPGやファンタジーでしかないことだと思ってたんだ。





うっそうと茂る森、それは現実としか見えないんだ。

隣にいる少年も人間。

だけど、最初の最初に出会ってしまったモノは異形。その単語しかちっぽけな頭には浮かばなかった。

でも、今の私には倒す手段がある。生き残るための。

私の今のココロには二つ、希望と不安が。

それに、決定打は私が私じゃないかもしれないということ。

それは、希望より、不安を増殖させた。







  
「髪の色が違う、と?」

ヴァンは眉を顰めながらに問いただした
それは、まるで疑うように。


「元の色は漆黒だったんだよ。
 眼も同様に。だけど、今はモンブラン色の髪そして黒に近い濃紺の瞳なんて、冗談が過ぎると思はない?」

深呼吸して自分を落ち着かせる、・・・・大丈夫。

まだ私は自分の力で前に進めると思うから。

「・・・・・の世界には音素はなかったのか?」

私の目を見て彼は問うた。

一つ一つ確実に確かめようと。

「・・・・・?音素って何なんだ?」

首を傾げて問いかけるとしかめっ面で私を頬に手を伸ばした。

・・・何だ?

むにー。

私の頬をヴァンがお餅を伸ばすようにひっぱる。


いひゃいってば・・・。

「せっかくシリアスな感じなのに、どうしてこうもぶち壊すのだろうな?」

笑ってる。笑ってるけど青筋浮いてるよ!ヴァンさん。







「・・・ふむふむ。へぇー。人間も音素からできてんのか。てことは、この森とかも?」
一面の森をぐるって回る。

「あぁ、基本的にはそうだろうな。」

てことは、異世界から来た私はどうなんよ?

「髪の色が変わったのもそのせいかもな。」

「てことは、一生こうだったりするのか?やっぱり?」




あぁ、どうしよう。急に不安が・・・・また押しつぶされそうになる。

どうしましょうか、まるで不良中学生のようです。

、髪なんていつ染めたの?なんて光輝に言われてしまいそうです。





「もしかしたら、元の世界に戻れたらそれも元どうりになるかもしれん。」

うぅ。よかったー。不良中学生にならなくてすみそうです。


「まぁ、どうやって帰るかだな。問題は。」


そうでした。それが問題でした。








「よかったら、俺の働いてる屋敷に来て見るか?」


可愛らしく顔を傾けて聞いてくる。


「働けるかは別だろうけど」


最後の言葉は余計だけど、

ヴァンが天使に見えるよー!!


「それでもありがとー。ヴァンっっ!」


自分よりも顔一つ分小さいヴァンをガシッと勢いよく抱きついた。

急に抱きついたからなのか
顔が赤く、いつもは大人びて見えるヴァンもやっぱりおさなくみえたんだ。




私はヴァンに連れられて、その屋敷に向かっていった。









それは、物語が始まるための準備だったのだ。










<061020>

文短っ!!

今回は閑話的なものです。


ほんと少年ヴァンの口調分らんよ。

次の話にガイの姉さん出す予定

てかガイのお姉さんの名前ってマリィだっけ?