02.邂逅
気付かなかった事
これはいったい、どうゆうことなのだろう?
私は病院に来たはずだ。ソレが何で森の中にいる?
病院で倒れたんじゃないのか?
そんな考えが頭を巡る。
何で私は変な動物に殺されかけてんだ?
「・・・・・っだい・・・?」
うん?
「・・・・お・・・じょぅ・・・?」
誰かが声をかけている。
「・・・おねえさん大丈夫?」
少年は、ずっと声を掛けてくれていたようだ。
いけないいけない。意識が飛んでいた。
「ん。だいじょぶだよ。」
なるべく笑顔で答える。
「所で、ここの地名を教えてくれっかな?」
ぐしゃぐしゃになってしまった髪を手櫛で整えながら聞く。
「ここ?おねえさん船で着たんじゃないんだ?」
少年は眉をひそめた。
私には何故眉を顰めたのかわからない。
「ここは、『ホド』だよ。」
ホド?・・・・私はそんな地名はしらないと思う。たぶん。
「うーん。」
ヨーロッパ?いやアフリカ?アメリカでもこんな変な動物の報道なんて聞いたことない。
「おねぇさん。やっぱ怪我したのか?痛いなら医者に診てもらったほうがいいと思うけど」
「ところで、さっきのあの動物は何だ?」
「動物?・・・・・・・モンスターじゃなくて?」
「もんすたぁ?・・・・・モンスターかよっ!」
頭が痛いな。ここは地球ですらないのか・・・?
「っ少年!!!!」
両手でガシッと少年の肩をつかむ。
「・・・はい?」
急につかまれたもんだから、目を丸くしていた。
「ここのことを詳しく教えてくれないか?」
少年の目を見ながらきいた。
「ホドのことか?」
「いや全部だ。惑星の名とかな。」
「・・・・・・・は?それは常識だろう?」
「いいからっ!!早く言ってくれ!!」
「惑星の名はオールドラントだ。」
・・・・・・地球ですらないのかよ。
少年はしぶしぶながら説明をしてくれた。
少年の一通りの説明を受けたあと、私は確信した。
・・・ここは私の住んでいたところでは無いと。
「少年。ここは、私の住んでいた所じゃない。」
「キムラスカの人間なのか?」
「いや、つまり、ここは私の住んでいた惑星ですらないんだな。これが。」
少年は私の言葉を聴いて顔を顰めていた。
「だから、惑星の名なんて聞いていたんだな」
少年は頷いている。
「あぁ、私の住んでいたところとはだいぶ異なっていたからね。」
「そう、なのか・・・・・。所で、おねえさんの名前は?」
少年は難しい顔をしながら、私に名を聞いた。。何か困らせることを言っただろうか?
「私は、・だ。・・・ここでは・か?・・・君の名は?」
「俺は・・・・・ヴァンだ。ところで、住むところはあるのか?」
「無いに決まっているだろう?。ここに着いたばっかなんだからさ。」
いくらなんでもそれはないだろ。
「・・・ふはっ。すまない。とりあえず、、うちに来ないか?」
笑っている。何で笑われているんだか分んないがすむ所があるのは有難い。
「いいのか?」
ヴァンの目を見る。
その目は澄んでいて曇りが無かった。
そんな目をしている少年ならいい子なのだろう。
「ああ。最初に出会ってしまったのは俺だしな。」
苦笑しながら笑いかけるヴァンと共に森の中を進んだ。
「これからよろしくな?ヴァン。」
「ああ、よろしく」
それは、預言には無かったはずの邂逅。
(061016)
少年ヴァンの一人称がわからず捏造中。
つぎに出でくるのは、ガイかな?
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