01.未知



それは未知との遭遇?




私の体を風がなでる。
緑と土の匂いがする。土の上に寝そべっているのだろうか?

さわさわと葉っぱのこすれる音もする。

む・・・。病院は?
どうしよう、私は呆けたんだろうか?

そんな疑問が頭の中を駆け巡る。

はぁ・・・・。それとも、夢?

ありがちだが、自分の頬を抓ってみる。

「いっ・・・痛い。」


緑の覆い茂る所から唸り声がする・・・。いやな予感が。

そこからで出来たのは、オンとか豹などを思い出させるソレだった。

牙が私に向く。


「いっ・・・・いやだぁ。」
私は後ろを向いて全速力で走り出した。
だけど、最初の一歩でよろけてしまったが。


かぜが、頬を撫でる。葉が舞う。

アレは私を追ってくる。牙が爪が見える。

もやもやとした気持ちが、沸いてくるんだ。
不安、だけなんだ。私が今持ちえる気持ちは。








アレが夕方の赤い光を浴びて
紅く見えるんだ。

返り血を浴びたような。

汗が頬を伝った。

どれくらい走ったかわからない。
それぐらい私は走っていた。

背景の葉っぱはまるで紅葉のような色。


そんな私の前にモンブラン色が風を切った。

私とそれが交差した。


それは、一瞬。

そう、ガラスが割れたあの時のような。
そんな儚い一瞬に感じたんだ。







モンブラン色のそれは少年だった。







少年は苦戦しながらもアレを倒した。



少年の頬には血がついていた。




「おねぇさん。大丈夫?」



笑いかけてくれたその笑顔は不安しかない私には安心できるものであった。








(061015) 名前変換がない・・・。どうしよう。
しかも短い